ガーナ産って・・・チョコレートじゃないよ。
スズキさんの車がインドでは50%を超えてNo.1だというのはご存知だと思います。
最近、ガーナ共和国でもスイフトの生産を始められていますね。
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作っている車は超小型だけど、でっかい会社
永年社長を務められた相談役の鈴木修さんは、著書の中で『俺は、中小企業のおやじ』とおっしゃっています。
1年間で3兆円以上を売り上げる中小企業ってどんなんでしょうか?
しかも100年以上続く老舗です。
→100周年記念サイト
小さな軽自動車から、大きなSUVまで
エンジン660ccのアルトから、一時期は3,600ccのV型6気筒エンジンを搭載するSUVまで製造/販売していました。
V6のSUVは、現在は販売されていません。
リーマンショックでパートナーのGMさんが傾いてしまったので、惜しくもアメリカ市場からは撤退したのでした。
GMさんの基本設計をベースとしていたからか、全長5mm弱の大型(アメリカの中では中型)SUVでした。
現在は、小型化されて同じ名前でインドネシアで販売されています。
1500ccエンジンの3列シートタイプですね。
→SUZUKI XL7
インドではNo.1
インドでは、2台に1台がスズキ車だそうです。
日本におけるトヨタ車以上の存在感です。
スズキさんの中でもインド市場は最重要市場です。
下記はスズキさんの販売地域の内訳ですが、日本よりもインドの方がはっきり上ですね。
今や人口の多さで世界一のインド。
英語で話せる人が多く、IT関係で仕事ができる方々も多いハイテクの国。
(川辺で座り込むお爺さんを想像する方は、情報が古いです。)
そこで新車販売の約40%がスズキ車です。
少し前まで、50%を超えていました。すごいの一言。
自動車の販売台数はやっぱり中国が一番なんですが、そのうち追い越しますよね。
最近までインドで製造したバレーノを日本でも販売していましたので、覚えておられる方も多いのでは。
また、アジアではタイやインドネシアでも生産されています。
四輪以上に、二輪(オートバイ)の分野ではトップクラスの企業ですもんね。
※6月7日追記
タイの工場を2025年末までに閉鎖するというニュースが流れました。
最盛期は6万台を生産されていましたが、最近は8,000台を下回るようになったとか。
政府はEV化を推し進めていますから、中国製EVに押されたんでしょうか・・・
自動車文化の中心・アメリカからは完全撤退
昔はGMと提携してシボレーブランドの車を作っていました。
ワゴンRプラス(現在のソリオ)やスイフト(現在のイグニス)にシボレーマークが付けられていました。
でも、あのリーマンショックの時に、いろんな物が変わりましたね。
アメリカの自動車ビッグ3と言われた枠組が完全に崩壊しました。
GMもスズキの株を手放さざるを得ませんでした。
クライスラー
2009年春に破産法を申請。
まあ、クライスラーはその以前から、しょんぼりしていましたが。
ドイツのダイムラー(ベンツの会社)に吸収されていましたし。
GM(ゼネラルモーターズ)
こちらもクライスラーに続いて破産法を申請。
この時にヨーロッパ部門のサーブや、アメリカ軍の軍用車をベースにしたハマーも無くなってしまいました。
フォード
ここだけなんとか破綻は免れました。
ジャガーやランドローバー、そしてマツダを手放してしまいましたが。
日本での販売からも撤退しちゃいましたね。
そんなこんなで、スズキさんはアメリカからの撤退を決めたのでした。
頼りにしていたGMさんと縁が切れたので、独自に続けるのは難しかったんでしょう。
台数で言えば世界一・中国からも完全撤退
アルトやワゴンRで、庶民に車を持つ夢を実現してもらいました。
ですが、中国の人が豊かになるにつれて、小型車は年々売れなくなって行きました。
そして、ついに2021年完全撤退を発表。
これは単なる偶然だと思いますが、スズキさんが出て行って間もなく・・・
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいます。
持っておられた幸運のおかげか、何か秘密の情報を掴んでいたのか?
(それはないと思いますが。)
都市ロックダウンで生産停止による損失は免れました。
ヨーロッパにも工場
ヨーロッパのハンガリーに工場を持たれています。
10年以上前、円高を利用してコンパクトカーのスプラッシュを輸入・販売されていました。
私も、ついこの間まで乗っていました。
日本からエンジンとトランスミッションを船で送って、ハンガリーで車体に組み付け。
そして日本に送り返して販売するという複雑なことをされていましたね。
(ハーフですな。)
当時は円高だったこともあって、安く買うことが出来ました。
自動ブレーキこそありませんでしたが、横滑り防止装置やカーテンエアバッグの付いた車が120万円くらいで買えましたね。
サスペンションがギシギシ音がしたり、パワステがスムースでなかったり。
でも、100km/h超えてもしっかり安定して走るし、シートもかっちりです。
正しい姿勢が取れて、長時間乗っても疲れません。
安っぽいんですが、大事な部分はきっちり作られているんです。
(おかげで乗り心地が硬いんですが。結構ガチガチです。)
まさに正しい安物と言う感じでした。
基本に手を抜いて、便利機能などで誤魔化している日本向けの車とは一線を画すものでしたね。
10年以上乗りましたが、ボディの塗装もあまり色あせしていません。
ドアハンドルの内側にも、ほとんど傷が付きませんでした。
これは一部の方にしか同意していただけないかもしれませんが。
トランスミッションがCVTでなくMT車だったらなぁと思って乗っておりました。
乗られたことのある方はご存知と思いますが、足元の空間が適度に狭いんです。
だから、左足の太ももやふくらはぎ辺りがぴったり壁に付きます。
これがコーナリング中に体を支えてくれるんですね。
もしMT車(マニュアルミッション)の設定があったら・・・
MTでなくてもトルコンATでもあれば、峠道で楽しめたんじゃなかろうかという感じです。
スズキさんは女性向けのイメージでCMをされていましたが、完全にマーケティングのミスですね。
そしてアフリカへ
今後は、世界の会社が見つめる最後のフロンティアであるアフリカ。
ここでの覇権争いに参戦されています。
最近のテレビを見ていると、アフリカでも首都なんかは大都会です。
ライオンやキリンは見当たりません。
私たちも意識を改めなければなりません。
(私だけかもしれませんが)
ノックダウン生産のようですが、エジプトにも工場があります。
(ノックダウン・・・部品を輸入して、組み立てるだけ)
エジプトの街の様子は下記のレポートが面白いですね。
→スズキ自販西埼玉さんのエジプトレポート
そして、この度ガーナでも工場で生産を始められたとのこと。
スイフトを生産という事のようですが、トヨタさん系列の工場のようですね。
ピックアップトラックのハイラックスも作っているようです。
ガーナについては、チョコレートでおなじみの明治さんの説明が面白いです。
→株式会社明治・世界の食と文化
従業員が約50人とのことですので、ちっちゃい工場なのでしょうか?
(完全に町工場の規模感ですね。)
それとも、完全自動化で人が要らない最新鋭の工場なのかもしれません。
(それは無いかな。)
そういえば20年以上前の話ですが、ホンダのシビックを南アフリカにあるメルセデスベンツの工場で作っていると聞いたことがありました。
協力し合っているんですね。
日本に合う車を続けてくれるのか?
ここまで世界中にスズキ車が広がるのはうれしいことですが、不安にもなってきます。
どう考えても、エジプトと日本で同じ車でいいはずは有りませんよね。
いつまで日本の道路事情に合わせた車を作っていただけるんでしょうか?
軽自動車を作っても、海外の衝突安全基準や耐久性にの基準に合わないでしょうね。
EV化の波よりも、こちらの問題の方が影響が大きいような気がしてきました。
アルトがなくなってしまうかもしれません。
以上、何かの参考になればうれしいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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